特別支援学校の先生を目指して 「障がいがあっても物事を諦めず、一緒に頑張れる方法を大学で学びました」 教育学部?高村梨麗(りま)さん

 大阪体育大学教育学部で特別支援教育コースに所属する高村梨麗(りま)さん(4年、兵庫?明石商業高校)は、特別支援教育について学ぶ魅力を「スポーツに関わらず障がいがあっても物事を諦めず、一緒に頑張れる方法を学べることが魅力です」と語ります。

特別支援教育コース?高村梨麗(りま)さん(4年、兵庫?明石商業高校)

 高村さんは中学校の保健体育教員に憧れていましたが、同時に、身近に障がいのある人がいたことで、特別支援教育にも興味を持っていたといいます。
 大阪体育大学教育学部に入学した理由は、中学校?高等学校の保健体育科教諭の免許と特別支援学校教諭の免許が両方取得でき、障がいの有無に関わらず共に学ぶインクルーシブ教育に力を入れていると感じたからです。

 重複障害教育総論の授業では、知的障害を伴う自閉症等の障がいを持つ方とのコミュニケーション方法について実践しました。学生同士でペアを組み、発話が難しく言葉でのコミュニケーションを取りにくいケースを想定し、質問への答えがイエスであれば指を動かすなど、言葉でも手話でもない意思疎通の方法を学びました。担当教員の曽根裕二准教授の「言葉こそ発しないものの、意思と感情はある」との教えが、印象に残っていると話します。
 曽根准教授のゼミに所属し、インクルーシブ教育などについて、実践的な内容を学んでいます。ゼミでは、義足を装着して歩行したり、タンデム自転車などパラスポーツの道具を実際に使用したりして、障がいを持つ人の視点で考えながら指導方法を学べることが魅力だといいます。
 クラブ活動は、アダプテッド?スポーツ部に所属しています。主な種目はボッチャ、車いすハンドボール、車いすバスケットボールですが、障がいの程度や男女の筋力差で公平性が保てなくなるため、できるだけ平等に競えるようルールを考えるといいます。
 例えば車いすバスケットボールでは、ゴールまでボールが届かない人はミニゴールを設置してそこをゴールとする、より軽量なボールを使用する、対象者によって一つのゴールでも点数を変えるなど、その時の参加者と相談しながら柔軟にルールを考えて実行しています。
 また、曽根准教授が主催する「わくわくアダプテッドスポーツクラブ」では、大学で学んだ知識を活かしながら、地域の障がいを持つ参加者とともに活動しています。
 特別支援学校の先生を目指す高村さん。大学生活を「知識、実践の両方を学び、それらをクラブでも活用できたことが強みでした」と振り返っています。